[未知なもの] No.38 静かな夏

静かな夏

静かな夏の

虫の羽ばたき
苔の吐息
鉱物の囁き

焼ける土
草の喘ぎ
水の気配
遠い砂

身体の中で
音が鳴る

ことばが身体を脱け出してゆく

貝殻を拾って
それらが風に羽ばたいていた
静かに風に鳴っていた

その潮騒を
手のひら一杯にまぶして
おにぎりを握ろう

なかに小さな
星粒をいれてね

ここには
いつも風が吹いている

風が身体をすり抜けてゆく

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